4. 感染したか知りたい〜検査について

2020年7月30日

その他活動

Q4-1. PCR検査って何? 
A. 鼻の粘液や唾液に新型コロナウイルスが含まれているかどうかを、ウイルスの遺伝子の一部を増やして調べる検査です。

ウイルスは小さくて見えません。また、粘液や唾液に含まれているウイルスは少なすぎてそのままでは検出が困難です。
そのため遺伝子を増やして検出します。この遺伝子を増やす方法を「PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応法)」といいます。
ウイルスから遺伝子を取り出して装置にセットし、遺伝子が増えるまで待たなければならないので、時間がかかります。
また、小さな容器を何十も並べて作業するなど、細かい操作が必要なので、習熟が必要です。

SARS(サーズ、重症急性呼吸器症候群)が2003年に流行したときは、実験室内感染と考えられる例も見られました。ウイルスが拡散しないよう措置された環境で注意深い操作が必要です。
 

(2020.7.29)

 

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Q4-2. 検査機関ではどのようにPCR検査が行われているの?
A. 医療機関から患者さんのサンプルが検査機関に届きます。検査機関では専門の技術を持ったスタッフが作業にあたります。
  • 実際の検査の流れ
(2020.7.29)

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Q4-3. 簡易検査キットとは?抗原検査とは?
A. 簡易検査キットは、特定のウイルスのたんぱく質(抗原)が含まれているか調べる器具です。この検査は抗原検査とも呼ばれます。

PCR検査は、調べたいウイルスの遺伝子配列が分かれば比較的早く利用できるようになりますが、抗原検査は信頼して活用できるキットができるまで時間がかかります。日本では2020年5月に初めて新型コロナウイルスの抗原検査キットが承認されました。

抗原検査キットはインフルエンザの診断にも使われるため、受けたことがある人も多いでしょう。調べたいウイルスだけが持つたんぱく質にくっつく「抗体」がセットされていて、たんぱく質と抗体がくっつくと色が付いた線が浮かび上がる仕組みです。この検出方法は「イムノクロマトグラフィー」と呼ばれます。

抗原検査は、キットさえあれば各医療機関で簡単に検査ができ、結果も15分〜30分程度の短時間で分かる利点があります。一方、PCR検査と比べ感度が低く、ウイルスの量が少ないと判定できません。
このため、ウイルスが検出されない「陰性」であっても、PCRなどの追加検査が必要になる場合があります。

 

微生物病研究所で開発中の診断キット

(2020.7.29)

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Q4-4. PCR検査は診断キットと違って何故時間がかかるの?
A. PCR検査には、ウイルスの不活化や遺伝子を取り出す作業が必要です。遺伝子を増幅するPCRという反応自体にも時間がかかります。計2〜3時間は必要です。
検査機関での実際のPCR検査の流れはこちら
(2020.7.29)

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Q4-5. 感染したか不安なので検査をしてもらいたい
A. PCRなどの検査は、医師が必要と判断した場合のみ可能です。まず、帰国者・接触者相談センターや地域の診療所などにあらかじめ電話で相談してください。検査は都道府県などが指定する医療機関で行われます。この場合は費用の自己負担はありません。
(2020.7.29)

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Q4-6. 新型コロナウイルスと他のコロナウイルスを見分けられる?
A. PCR検査ではっきりと見分けられます。新型コロナウイルスだけが持っている遺伝子を目印として、検査をしています。 

人に感染するコロナウイルスとしては、今回の新型コロナウイルスは7番目に見つかりました。既に知られていた6種類のうち、2003年に流行したSARS(サーズ)ウイルスが今回の新型コロナウイルスに最も似ていて、遺伝子配列の7〜8割が同じだと言われています。 
逆に言うと、2〜3割は似ていない、ということになります。新型コロナウイルスの遺伝子配列が公表されているので、この遺伝子配列をSARSや他のウイルスと比較し、新型コロナウイルスだけが持つ部分を目印にして見分けています。 

また、イムノクロマトグラフィーによる簡易検査キットでは新型コロナウイルスのたんぱく質だけに結合する「抗体」を用いますが、やはり新型コロナウイルスだけがもつ特徴的な場所を検出するように設計されるので、見分けることができます。
(2020.7.29)

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Q4-7. なぜ新型コロナウイルスの検査にPCR法が使われているの?
A. PCR法であれば、ウイルスの遺伝子配列さえ分かれば検査ができるからです。
 
新型コロナウイルスの遺伝子配列は2020年1月10日に公表され、国立感染症研究所は同月中に検査に必要な試薬を全国の地方衛生研究所などに送りました。こうしてPCR法が先行して使われるようになりました。

一方、抗原検査法などは開発に時間がかかり、日本で最初に抗原検査キットが承認されたのは同年5月でした。

 

また、PCR法は、新型コロナウイルスだけにある遺伝子配列を増幅して検出するため、間違えて陽性としてしまう割合が低い利点があります。言い換えると、陽性と出た場合は結果が正しい可能性が高いということです。ただ、感染していても約3割は陰性という誤った結果が出てしまうとされており、注意が必要です。

 

PCR法は、国立感染症研究所が発表した方法だけでなく、米国疾病予防管理センター(CDC)や、PCRの機器・薬品メーカーがそれぞれ開発した方法を用いる場合もあります。

参考リンク:国立感染症研究所 病原体検出マニュアル > 新型コロナウイルス感染症

https://www.niid.go.jp/niid/ja/lab-manual-m/9559-2020-04-14-10-09-54.html

(2020.9.28)

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Q4-8. PCR法が使われるのは新型コロナウイルスだけ?
A. 日本では現在、新型コロナウイルスの他にも下記のウイルスについて健康保険が適用されます。

 

B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、EBウイルス、水ぼうそうウイルス、単純ヘルペスウイルス、SARSコロナウイルス、ヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)

 

ウイルスによってはPCR法以外の検出方法が開発されています。

検出方法は、患者さんの状態や検査場所(設置設備などの違い)により、選択または組み合わされます。

(2020.9.28)

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Q4-9. 偽陽性・偽陰性はなぜ起こるの?
A. 
偽陽性:感染していないのに、検査結果が陽性になってしまうこと

患者さんやサンプル(検査する粘液など)の状態、検出手法によっては目的のウイルス以外のウイルスに反応してしまうこともあり、この場合は偽陽性となります。

PCR検査の場合、目的のウイルスの遺伝子だけを増幅するように条件設定されているので、ほかの方法に比べて偽陽性がでることはほとんどありません。

 

偽陰性:感染しているのに、検査結果が陰性になってしまうこと

採取したサンプルにたまたま病原体がいなかったり、サンプルの状態が悪かったりすると、検出できずに偽陰性となることがあります。

 

現在の新型コロナウイルスの検査では、国立感染症研究所が「PCR検査陽性」とするウイルス量の基準値を設定しています。PCR検査に用いられる薬品は基準値のウイルス量を検出できるよう性能保証されています。

サンプルによっては、この基準値をわずかに下回る場合もあります。この場合は、再検査など十分な検討を行い、判断します。

参考サイト

https://www.niid.go.jp/niid/ja/covid-19/9482-covid14-15.html

(2020.9.28)

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