山本 雅裕 (教授)感染病態分野

Q1 出身はどちらですか

1979年に熊本で生まれて、すぐに大分に移住し中学校卒業(15歳)まで過ごし、高校3年間(18歳まで)は鹿児島、大学4年間(22歳まで)は東京、そして、その後現在に至るまでずっと大阪の吹田キャンパスの近辺です。

Q2 兄弟・姉妹はいますか

兄1人、姉1人。

Q3 以下のカテゴリーで一番のお気に入りを教えてください

本(真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝) 映画(スターウォーズ 帝国の逆襲) 食べ物(うなぎ) 都市(大分市) スポーツ(硬式テニス)

Q4 趣味はありますか?現在ハマっていることがあれば聞かせてください

出張に行っては各地の名物料理とスイーツ・甘味を食べること。東京出張の時は朝ジョギングがてら築地の場外市場に行って海鮮丼を食べています。

Q5 中学・高校時代の部活動・習い事等あれば教えてください

軟式テニス部に中2まで所属しましたが蓄膿症治療のため退部し帰宅部になったとたん、ゲームセンターにほぼ毎日通うゲーセン部員(非公認)と成り果てました。特にストII(※)でザンギエフを使い、地元の大分では対戦してもほとんど負けた記憶がないぐらい強かったと思います。 ※ストリートファイターII。対戦型の格闘ゲームで、1991年に発表、爆発的ヒットを記録した。

Q6 大学時代に一番熱中した、エネルギーをつぎ込んだことは何ですか

夏はレンタカーでドライブ。三浦半島、房総半島、伊豆半島、能登半島、下北半島など東日本の主要な半島の先端(灯台・岬)を目指して、レンタカーの中で友人と寝泊まりし、さらに全行程を下道で行く貧乏旅行でした。冬は人並みにスキーです。毎週、湯沢方面や群馬北部に通いました。

Q7 研究者になったきっかけは何ですか

父親、山本家の親戚(伯父・叔父)が全員大学の医学研究者で、むしろ、大学で研究する以外の職業をあまり想像できませんでした。

Q8 研究していて最もエキサイトした瞬間はいつですか

2回ありました。最初は、修士2年生でTLR(※1)のアダプター分子TRIF(※2)を発見した時です。やっていることを教授も直属の上司も(※3)全く知らない「完全な闇実験」でTRIFをクローニングし、ルシフェラーゼアッセイ(※4)をやってインターフェロンβプロモーターのレポーターが振り切れるぐらい上がった時には、一瞬、嘘かと思いました。 次は、助教2年目でトキソプラズマのROP16(※5)を無理矢理293T細胞に発現させルシフェラーゼアッセイをやってStat3依存的プロモーターが振り切れるぐらい上がった時です。TRIFの時の再来のようにも思えましたし、これで自分はトキソプラズマで飯を食っていけると思いました。 ※1)Toll Like Receptor(トル様受容体)。細菌などの微生物が持つ共通の分子パターンを認識する受容体。体内でいち早く侵入者を認識する病原体センサーとして働く。 ※2)トル様受容体からのシグナルを伝えるアダプター分子。2002年に山本教授が同定した(当時は癌抑制遺伝子分野(現・IFReC自然免疫学研究室、審良研)に大学院生として在籍)。 Cutting edge: a novel Toll/IL-1 receptor domain-containing adapter that preferentially activates the IFN-beta promoter in the Toll-like receptor signaling. J Immunol. 2002 Dec 15;169(12):6668-72. ※3)教授=審良静男教授(現・IFReC自然免疫学研究室)、直属の上司=当時審良研助手だった竹田潔教授(現・医学系研究科免疫制御学) ※4)ホタルやウミシイタケなどが持つ蛍光物質を活用した実験方法。反応が強いほど蛍光が強くなることを指標にしてタンパク質の活性を測定する。文中の「レポーターが振り切れるぐらい上がった」とは非常に強い蛍光反応が観察された、ということ。 ※5)寄生虫であるトキソプラズマ原虫が細胞に感染した際に、宿主細胞内に分泌するタンパク質。宿主の抗炎症性転写因子であるStat3を直接活性化することで自然免疫応答を抑制する。 A single polymorphic amino acid on Toxoplasma gondii kinase ROP16 determines the direct and strain-specific activation of Stat3. J Exp Med. 2009 Nov 23;206(12):2747-60. doi: 10.1084/jem.20091703.