光から影へ 進化の過程で隠された自然免疫システムの原始機能(石谷研がNat Commun誌に発表)

大阪大学微生物病研究所の石谷太教授、同大学医学系研究科博士課程のZou Juqiさん(博士課程)らの研究グループは、自然免疫システムの隠された原始的機能を暴くことに成功しました。

【研究成果のポイント】

  • 自然免疫を作動させるシステムとして広く知られるToll様受容体(TLR)-NFκB経路(※1)が、脊椎動物において背腹軸形成に重要な機能を果たしていることを明らかに。
  • 従来の遺伝子ノックアウト法では、遺伝的補償(※2)によりTLR-NFκB経路の本来の機能は不明であったが、ゼブラフィッシュ(※3)を用いた独自の手法を駆使し機能を暴き出した。
  • この手法により、TLR-NFκB経路は背と腹の境界が適切に形成されるようWnt(※4)/β-catenin経路の活動を適度に抑制する役割を担うことを解明。

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本研究成果はNature姉妹誌Nature Communicationsに11/8(水)に掲載されました。

タイトル:“Determining zebrafish dorsal organizer size by a negative feedback loop between canonical/non-canonical Wnts and Tlr4/NFκB”

著者名: Juqi Zou , Satoshi Anai , Satoshi Ota , Shizuka Ishitani , Masayuki Oginuma, Tohru Ishitani

  • 図1)ショウジョウバエとゼブラフィッシュの背腹軸形成の違いと新モデル