RNA分解酵素は、免疫複合体による免疫細胞活性化を増強する(荒瀬研がJCI Insight誌に発表)

免疫化学分野の内藤遼太研究員、荒瀬尚教授(大阪大学感染症総合教育研究拠点/大阪大学先端モダリティ・ドラッグデリバリーシステム研究センター兼任)らの研究グループは、抗核抗体(*1)からなる免疫複合体の抗体受容体(Fc受容体)(*2)を介した免疫細胞の活性化に、組織由来RNA分解酵素が重要な役割を担っていることを明らかにしました(図)。

【研究成果のポイント】

全身性自己免疫疾患では、免疫複合体(*3)による免疫細胞の活性化が病態に関与している

本研究により、組織のRNA分解酵素(*4)が免疫複合体の免疫活性化作用を高めることが初めて明らかになった

本研究に基づき、免疫複合体が関与する全身性自己免疫疾患の病態解明、さらに新たな治療薬の開発につながることが期待される

 

本研究成果はJCI Insightに日本時間7月12日(水)午前1時にオンライン掲載されました。

タイトル:“Positive and negative regulation of the Fcγ receptor-stimulatory activity of RNA-containing immune complexes by RNase”

「RNA分解酵素によるRNA含有免疫複合体のFcγ受容体刺激活性の正と負の制御」

著者: Ryota Naito, Koichiro Ohmura, Shuhei Higuchi Wataru Nakai, Masako Kohyama, Tsuneyo Mimori, Akio Morinobu, Hisashi Arase

 

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  • 図)RNA結合タンパク質であるU1RNP、Ro/SSA、La/SSBに対するRNA分解酵素の機能を解析し結果、RNA分解酵素はRo/SSAやLa/SSB抗原に対する自己抗体によって形成される免疫複合体の機能を亢進することが明らかになった。