三室 仁美(准教授)感染微生物分野

Q1 出身はどちらですか

東京の下町出身です。阪大に来るまでは都内を転々としていました。

Q2 兄弟・姉妹はいますか

一人っ子です。

Q3 以下のカテゴリーで一番のお気に入りを教えてください

本:椎名誠・原田マハの作品

映画:ニュー・シネマ・パラダイス、ユージュアル・サスペクツ、インディー・ジョーンズ(一つに絞れません!)、プリキュア、ドラえもん(子供に観させられています。)

食べ物:いちご

都市:東京・イスタンブール

スポーツ:スキューバダイビング

Q4 趣味はありますか?現在ハマっていることがあれば聞かせてください

バンド活動(エレキバイオリン担当)。ジグソーパズル(最近始めました。老若男女家族みんなで没頭しています)。

Q5 中学・高校時代の部活動・習い事等あれば教えてください

中学は軟式テニス部で、球拾いばかりでした。高校は、凛々しい雰囲気に憧れて弓道部でした。期末テストの最終日の、一夜漬けで寝不足の試験終了後に、息苦しい袴姿で学校の周りをマラソンするという部活の恒例行事がしんどかった。。。

Q6 大学時代に一番熱中した、エネルギーをつぎ込んだことは何ですか

バイト(塾講師など)に明け暮れ、いかにギリギリの出席数で単位を取るかにエネルギーをつぎ込んでいるように見える、アカン学生でした。大学4年の卒業研究で実験の楽しさに目覚め、以来研究室に入り浸る生活になりました。

Q7 研究者になったきっかけは何ですか

高校の化学の授業で、「ウンチの臭いを感じるのは、ウンチの分子の一部が鼻の細胞のにおい分子受容体に結合して、シグナルが脳に達するからですよ」、という話を聞いて、あらゆる生命現象が分子や電子で説明がつくことに感動したことがきっかけだったのかもしれません。また、身近な親族の不幸がきっかけで、生物の生きることと死ぬことの境界線の謎と、生命現象への畏敬の念を覚えたことが、根底にあったように思います。生命現象の研究をしたいという思いを持ちつつ、生きていくには稼がなくてはということもあって企業に就職し、その後ご縁があって病原細菌の基礎研究に足を踏み入れました。細菌のような単細胞では、一つの細胞がエネルギー産生をせず分解の方向に進むと死んでしまいますが、人間のような高等多細胞生物では、細胞死と細胞増植のバランスで生命が維持されています。病原細菌の感染現象研究は、単細胞生物と多細胞生物が織りなす、まさに複雑な生命現象の研究だな、と思っています。

Q8 研究していて最もエキサイトした瞬間はいつですか

赤痢菌は鞭毛を持たずに、感染した細胞内のアクチン重合システムを利用して、アクチン重合によって動きまわります。その動きをin vitroで死菌とカエルの卵の抽出液を使って再現して、顕微鏡観察している目の前で死菌が動いた瞬間。その後、測定のために顕微鏡を見つめすぎて、夢のなかでも赤痢菌が泳ぐ残像をみていました。もう一つは、ピロリ菌の病原因子CagAタンパク質の研究で。細胞に付着した菌からCagAが細胞内に注入されると、感染細胞が踊るように動きます。その動きには当時CagAタンパク質のチロシン残基のリン酸化が必要と考えられていました。リン酸化しない変異体を発現させた細胞を顕微鏡で観察してみると、世の中の予想に反してスキャッタリングすることをみつけてしまった瞬間も、感動的でした。