新型コロナウイルス感染症ワクチンと検査技術の開発に着手

2020年3月18日

新着情報

本研究所と、一般財団法人阪大微生物病研究会(BIKEN財団)、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(医薬健栄研)は、新型コロナウイルス感染症のワクチンおよび検査技術の開発に着手しました。3機関が有するワクチン開発・実用化にむけた研究資源・ノウハウを活用し、すみやかな臨床試験開始を目指します。さらに、この連携体制を発展させ、新興感染症の予防と制御に向けた研究開発を行うプラットフォームとして整備します。

新型コロナウイルス感染症に対するワクチンと検査技術の開発

  1. 新型コロナウイルス感染症ワクチン

    ウイルスの遺伝子操作技術およびウイルス様粒子のタンパク質合成技術における高度な実験ノウハウを有しており、オーダーメイドの抗原が作製可能です。この2つのアプローチによる研究開発により、ワクチンの早期実用を目指します。

    また、ウイルス感染者では、自身の免疫系によりウイルスに対する中和抗体が誘導されることから、感染者血液より中和抗体を単離し、この抗体に結合する抗原解析を実施することで、より有効性の高いワクチンを創製します。

  2. 新型コロナウイルス検査技術

    ワクチン開発の技術を応用し、新型コロナウイルスの最適な立体構造を保持する抗原の創出や、特異的かつ高親和性モノクローナル抗体のライブラリー作出を行い、感染初期のみならず急性期・回復期の評価を可能とする、高精度な検査技術の研究開発に着手します。医療現場におけるニーズに応え、適切な治療に繋がる検査法の確立を目指します。

 

なお、ウイルスサンプルの提供等について、地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所の協力を得ます。

新興感染症の予防と制御に向けた研究開発を行うプラットフォーム構想

この新型コロナウイルスへの対応実績をもとに、微生物病研究所、BIKEN財団、医薬健栄研の連携による新興感染症に対応できる体制を確立します。国境を越えた人々の往来が活発化する中、病原体も容易に国境を越えます。将来国内に侵入し得る病原体の情報収集と対策研究の実施により、新興感染症に先んじた予防と制御に向けた研究開発体制の確立を目指します。

 

 

 

 

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