日本・タイ感染症共同研究センター  感染症治療薬開発部門/塩田研究室

デング熱、チクングニア熱は蚊が媒介する感染症で、それぞれデングウイルス、チクングニアウイルスによって感染します。これらの感染症は熱帯・亜熱帯を中心に流行しており、公衆衛生上世界的な問題となっています。感染症治療薬開発部門では、デング熱、チクングニア熱の診断と治療法の開発を目指し研究を進めています。

 

デング熱、チクングニア熱は熱帯・亜熱帯で流行が拡大している感染症で、デング熱はアジアを中心に、チクングニア熱はアフリカ地域を中心に各地で流行が確認されています。日本でも、海外で感染した輸入症例が報告されているのに加え、2014年には東京を中心としたデング熱流行が発生しました。しかし、デング熱、チクングニア熱に対する抗ウイルス薬やワクチンは未だ実用化されていません。感染症治療薬開発部門では、デングウイルス、チクングニアウイルスに対する抗ウイルス薬の開発を行い、感染症の克服に向けて研究を行っています。
また、デング熱はI〜IV型まで4種類の型が確認されていますが、それぞれの型で遺伝子の相同性が低く、さらに、異なる型に続けて感染した場合、重症化するという問題があります。研究室では、効果的な治療を実践するために、I〜IV型を区別する診断法の開発を行っています。

  • 図・デングウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼ(水色)とその阻害剤RK-0404678(赤)との結合様式

メンバー

  • 教授(兼): 塩田 達雄

ホームページ

最近の代表的な論文

  • (1)Promising application of monoclonal antibody against chikungunya virus E1- antigen across genotypes in immunochromatographic rapid diagnostic tests. Suzuki K., et al., Virol J. (2020) 17(1): 90.
    (2)Discovery of a small molecule inhibitor targeting dengue virus NS5 RNA-dependent RNA polymerase. Shimizu H. et al., PLoS Negl Trop Dis. (2019) 13(11):e0007894.
    (3)Evaluation of novel rapid detection kits for dengue virus NS1 antigen in Dhaka, Bangladesh, in 2017. Suzuki K. et al., Virol J. (2019) 16(1):102.
    (4)Broad-spectrum monoclonal antibodies against chikungunya virus structural proteins: Promising candidates for antibody-based rapid diagnostic test development. Tuekprakhon A. et al., PLoS One. (2018) 13(12):e0208851.
    (5)Evaluation of an immunochromatography rapid diagnosis kit for detection of chikungunya virus antigen in India, a dengue-endemic country. Jain J. et al., Virol J. (2018) 15(1):84.
    (6)Variation at position 350 in the Chikungunya virus 6K-E1 protein determines the sensitivity of detection in a rapid E1-antigen test. Tuekprakhon A. et al., Sci Rep. (2018) 8(1):1094.