日本・タイ感染症共同研究センター  薬剤耐性菌部門

抗生物質は各種感染症から多くの人命を救ってきましたが、現在、耐性菌の出現が医療現場での深刻な問題となっています。本部門は、難治性感染症の切り札的治療薬とされるカルバペネム系抗生物質に耐性を持つ腸内細菌科細菌菌(CRE)を中心に研究を進めています。

 

カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)は、カルバペネム系抗生物質に耐性を示すに留まらず、その他の抗生物質の多くに耐性を示し、治療面で大きな困難をもたらしています。欧米、アジア、アフリカ諸国ではCREの分離率は増加しつつあり、日本でも警戒が必要です。当部門では、タイやミャンマーの中核病院の協力を得てCRE臨床分離株の収集を行い、耐性菌の細菌学的性状を把握するとともに、CRE株のゲノム配列の解読から、耐性を担うカルバペネマーゼ遺伝子の同定と伝播様式、ゲノムの系統解析等を実施しています。さらに得られた情報を元に分子疫学的手法を用いてCREがどのように薬剤耐性遺伝子を獲得し、施設内、国内、そしてグローバルに伝播核酸していく様態を解明すべく研究を行っています。

  • ミャンマー由来CREの全ゲノムSNPによる系統樹の1例。円の内側より細菌種、分離地域、薬剤耐性遺伝子群をそれぞれ示す。

メンバー

  • 教授: 飯田 哲也(兼)
  • 寄附講座准教授: 濱口 重人(兼)

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最近の代表的な論文

  • (1) In Virro Efficacy of Meropenem-Cefmetazole Combination Therapy against New Delhi Melallo-β lactamase-producing Enterobacteriaceae. Hagiya H, et. al. lnt J Antimicrob Agents. (2020) 55:105905.
    (2) Genomic characterization or an emerging blaKPC-2 carrying Enterobacteriaceae clinical isolates in Thailand. Kerdsin A. el al. Sci Rep. (2019) 9:18571
    (3) Genomic characterisation of a novel plasmid carrying blaIMP-6 of carbapenem-resistant Klebsielta pnevmoniae isolated in Osaka, Japan. Abe R et al. J Glob Anlimicrob Resist. (2019) pii: S2213·7165 (19)30257-7.
    (4) Dissemination of carbapenemase-producing Entnrobacteriacese harbouring blaNDM or blaIMI in local market foods of Yangon, Myanmar. Sugawara Y. et. al Sci Rep. (2019) 9:14455.
    (5) Rapid screening and early precautions for carbapenem-resistant Acinetobacter baumannii carriers decreased nosocomial transmission in hospital settings: a quasi-experimental study. Yamamoto N. et. al. Antimicrob Resist Infect Control.(2019) 8:110