ゲノムデータ解析とウイルス実験によりコロナウイルスの進化の一端を解明(渡辺研がiScienceに発表)
本研究所分子ウイルス分野 高田 光輔特任助教、渡辺 登喜子教授らの研究グループは、東海大学との共同研究により、新型コロナウイルスのnsp14遺伝子の変異はゲノム多様性を促進する可能性があることをデータ解析とウイルス実験で解明しました。
研究のポイント
- コロナウイルスはゲノム複製時のエラーを校正するウイルスタンパク質 (nsp14:図1)を持ち、さまざまなコロナウイルスウイルス(コウモリ由来のコロナウイルスなど)で高く保存されている領域が多いことが判明。
- 新型コロナウイルスのゲノムデータ解析により、nsp14-P203Lを持つウイルス株は、ゲノム変異しやすい傾向を持つことを発見。
- 動物実験により、ハムスターの肺で増えた変異型nsp14-P203Lウイルスには、多様なゲノム変異が見られることを解明(図2)。
- nsp14の機能維持は、新型コロナウイルスにおいて重要である可能性が示唆された。
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本研究成果は2023年2月にiScienceに掲載されました。
Title: Genomic diversity of SARS-CoV-2 can be accelerated by mutations in the nsp14 gene
Authors: Kosuke Takada, Mahoko Takahashi Ueda, Shintaro Shichinohe, Yurie Kida, Chikako Ono, Yoshiharu Matsuura, Tokiko Watanabe, So Nakagawa