研究成果とサポート

 

1.生殖幹細胞の増殖と分化の制御機構 

  造血系と並び精巣は、組織幹細胞系として研究されてきました。とくに、精巣の生殖幹細胞は、組織幹細胞の特質の解析をする上で以下のような優れた点があります。
1) 胎生の初期から組織幹細胞として成立するまでの過程が詳細に研究されており、細胞系譜があきらかである。
2) 分化が一方向で、幹細胞からの分化が単純である。
3) 分化段階の判別が組織学的に容易に行える。
4) 組織から幹細胞を容易に除去することが可能である(薬剤処理、放射線照射)。
5) 幹細胞からの分化を人工的に停止させることができる(停留睾丸手術)。
6) 精細胞分化障害マウスを利用できる。これにより、幹細胞の自己再生と増殖に焦点を当てた研究が可能となる。
7) 精細胞移植法により幹細胞の検定が可能である。
8) 支持細胞との関係が明確であり、支持細胞との相互作用の解析が可能である。
 このようなモデル系としての利点を生かして、生殖幹細胞の増殖と分化の制御機構の解析を通して、組織幹細胞の特質の解明を進めてきました。最近では、幹細胞の増殖・自己複製が支持細胞を介して、局所的な制御だけでなく、全身的な制御を受けていることが明らかなり、幹細胞の増殖制御により、幹細胞自身を分化させることなく無制限に増殖させることも可能となりました(右図)。

  ⇒本研究に関する問い合わせ先
     武庫川女子大学 生活環境学部 食物栄養学科 蓬田健太郎
     〒663-8558 兵庫県西宮市池開町6-46
     TEL&FAX 0798−45−9749
     E−mail: 
yomo@mwu.mukogawa-u.ac.jp 

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