Cell Host Microbe 10: 401-409 (2011)2011/10/4
本研究では腸炎ビブリオIII型分泌装置(T3SS)の新規エフェクター(VopV)を見出し、本菌の下痢原性に重要であることを示した。VopV の宿主細胞内での標的分子を探したところ、F-アクチンに結合することが明らかになった。VopVは6つのF-アクチン結合領域を持ち、それによりF-ア クチンを束ねる(bundling)活性を示した。興味深いことに、VopVのF-アクチン結合活性は、VopVの下痢原性に必須であった。さらに、コレ ラ毒素非産生性コレラ菌のVopVホモログも同様にコレラ菌の下痢原性に重要であることを示し、新規F-アクチン結合T3SSエフェクターVopVが、菌 種を越えて下痢原性に重要な役割を果たしていることを明らかにした。