J. Clin. Invest. 120: 984-994 (2010)

雌性生殖路内に射出された精子が卵子と出会って受精するまでには、多種多様な物理的・生理的バリアをクリアしなければならない。これまで生化学的・ 免疫学的手法から数多くの受精関連因子が同定されてきたが、その多くはノックアウトしても必須でないことが示されている。その一方で、受精に無関係と思われた遺伝子のノックアウトが不妊の表現型を示す例も少なくない。本稿では、ノックアウトマウスを通して得られた知見を中心に、個体レベルでの受精現象について概説した。