Nature Cell Biol. 11: 385-396 (2009)

我々は、網羅的結合タンパク質探索により、オートファジーに必須のタンパク質Beclin 1と結合する未報告の新規タンパク質を2種類発見し、Atg14L, Rubiconと名付けた。これらはBeclin 1と相互排除的に結合し、Atg14L-Beclin 1複合体はオートファジーの初期過程を正に制御し、一方Rubicon-Beclin 1複合体は後期過程を負に制御することが判明した。Rubicon複合体はエンドサイトーシス経路に対しても抑制的に働いていた。Beclin 1の機能が低下したヘテロKOマウスではがんが多発することが知られている。オートファジーとエンドサイトーシスという2つの重要な細胞機能を、 Beclin1を介してAtg14LとRubiconが巧妙に調節し、発がんを抑制しているのではないかと考えられる。