Cell 139: 352-365 (2009)
細胞の表面にはGPIアンカーと呼ばれる糖脂質によって表面膜に繋ぎ止められている一群のタンパク質(GPIアンカー型タンパク質)が存在する。ヒトではおよそ150種類のGPIアンカー型タンパク質が存在し、発生・免疫・神経形成に必須の役割を担っている。本研究では、GPIアンカー型タンパク質の輸送が遅くなる変異細胞を単離し、原因遺伝子を同定・解析した。その結果、原因遺伝子PGAP5はGPIアンカーの糖鎖部分の構造を改変する活性を有していることが分かった。さらに、PGAP5によるGPIアンカー部分の改変はGPIアンカー型タンパク質の小胞体からの効率的な輸送に必須の役割を果たしていることが明らかとなった。