柴田 万絢(2026年時点 医D1)免疫化学分野
Q1 微研に来られた経緯を教えて下さい。
微研の荒瀬先生の研究室から報告されていた「自己免疫疾患における自己抗体の産生機構」に関する研究に興味を持ち、こんな研究がされている研究室で研究をしてみたいと思ったことがきっかけです。当時、私は多くの治療法が開発されているのにも関わらず、未だ多くの方々が苦しんでいる「がん」と、未だ根本的な治療法がない「自己免疫疾患」の治療に貢献したいという思いがありました。そんな時、一度罹患すると長期的な通院や投薬が必要になることが大変だと感じていたバセドウ病の発症機構に関する報告を見つけ、その報告を発表されていた研究室を探しました。その研究室が、修士課程からお世話になっている微研の荒瀬研究室です。実際に荒瀬先生にお話を伺う機会をいただき、自己免疫疾患だけでなく、がんについても研究を進めていらっしゃるということを知り、より一層ここで研究がしたいという思いが強くなりました。そのため、荒瀬研究室のある微研で修士課程から研究させていただいています。
Q2 研究の道を選んだ理由を教えて下さい。
原因や治療法の開発がまだ十分ではない疾患に対しては、研究を通してでしか貢献できないと思い、研究の道を選びました。幼い頃、私は今身近にいてくれる人たちはずっとそばにいてくれるものだと勝手に思い込んでしまっていました。でずが、ずっと一緒に過ごしてくれるものだと思っていた方々が病気になってしまったり、亡くなってしまったりする姿を目の当たりにした時、私が勝手に当たり前だと思っていたことは、当たり前ではないことに気が付きました。その人に会えるのが最後だとしても、後悔しないように生きたい。そして、みんな健康で幸せに生きていて欲しいと強く思いました。そう思って以来、どうしたら現状の医療では治せない病気に苦しむ方々に貢献できるのかを考えるようになりました。そして、原因の解明や治療法の開発がまだ十分ではない疾患に対しては、研究を通してでしか貢献できないということを知り、研究者を志すようになりました。
Q3 現在の研究テーマを教えて下さい。
私は、微研に来る前から関心を持っていた「がん」と「免疫」の関係について研究しています。免疫システムは、がん細胞を攻撃する際に腫瘍抗原を目印として正常細胞とがん細胞を識別し、通常自己である正常細胞に対しては免疫応答を誘導しないような仕組みになっています。しかし、がん細胞は本来自己の細胞に由来するため、腫瘍抗原の中には正常細胞にも存在するものがあります。では、そういった「自己でもある腫瘍抗原」を免疫細胞はどのように識別し、免疫応答を誘導しているのでしょうか。私はこの十分に理解が進んでいない課題に着目して研究を進めています。今後は、がん細胞に対する免疫応答がどのように誘導されているのかをより詳細に理解し、既存の医療だけでは十分に対応できていない患者さんに対しても有効となりうる、新たながん免疫療法の発展に貢献したいと考えています。
Q4 博士号取得後はどのような研究者になりたいですか?
人の気持ちの分かる、その気持ちに寄り添ってあげることのできる研究者になりたいです。これまで大学院生として研究に取り組む中で、研究は決して自分ひとりの力だけではできないということを強く感じました。研究室の皆さまをはじめ、家族や友人、多くの方々の支えがあったからこそ続けることができたと感じています。周りで支えてくれる方々はもちろん、より多くの方々の役に立てる研究者へと成長したいと考えています。特に、病気に苦しむ患者さんに少しでも貢献できるような研究者になりたいです。研究者はとても責任のある職業であると思います。その責任を自覚し、常に精一杯目の前の課題に向き合い、努力を重ねていきたいと思います。
Q5 博士号取得を検討している皆さんにメッセージをお願いします。
私も現在、まずは博士号取得をひとつの目標として、日々実験に取り組んでいます。修士課程からこれまでの3年間を振り返ると、悩みながらも充実した幸せな時間だったなと感じています。もちろん研究に取り組む毎日は、思うようにいかないことも多く、落ち込むこともありました。これからもきっと何度も同じような気持ちになる日が来るのだろうなと思います。でも、研究を通して今まで知らなかったことを学び、様々な方々に巡り合い、新しい視点を得られる喜びがたくさんありました。これからも目の前の研究に全力で向き合い、少しずつ研究者として成長できるように頑張りたいと思います。皆さんも、ぜひ博士課程での研究を楽しんでください。応援しています。
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