大阪大学微生物病研究所 感染症国際研究センター 病原微生物資源室

病原微生物資源室では
病原細菌の収集・保存・提供を
行っています。

本研究所における菌株保存事業の歴史は古く、1934年微研設立と同時に細菌血清学部門内でスタートし、約40年後に文部省から研究所附置施設として認可を受けました。2002年からは文科省のナショナルバイオリソースプロジェクトに参画し、2005年、感染症国際研究センター内の病原微生物資源室として位置づけられました。

感染症法の改正に伴って臨床分離株を保存しない国内の施設が増えたことなどから、その受け皿となる病原微生物保存施設として中核的な機能を担うことが期待されています。歴史的な経緯からこれまで腸管感染原因菌を中心に菌株の収集・保存を行ってきましたが、今後は腸管感染微生物に限らず重要な病原細菌を網羅していく方針です。また医療現場からの相談や依頼に応じて原因病原体の同定や型別解析なども行い現場へフィードバックするとともに、菌株保存法についての情報提供を行っています。

更新情報

  • 2022/6/17

    Vibrio cholerae non-O1 TDH+株などを分与株に追加しました。
  • 2022/6/17

    性状検査法第一版を掲載しました。

菌株分与を希望される方

菌株寄託を希望される方

その他

菌株分与を希望される方

病原細菌の分与

病原細菌の分与を希望される場合は以下の手順になります。
お申し込みから菌株入手まで3週間程度必要です。

  1. 1.希望菌株の有無を分与菌株リストで確認してください。
  2. 2.RIMD番号などを確認いただき菌株分与依頼フォームからお申し込みください。
  3. 3.病原微生物資源室からメールにて手続き書類をお送りします。
  4. 4.書類を作成いただき病原微生物資源室まで郵送してください。
  5. 5.分与の可否について当研究所バイオセーフティ委員会にて審査を行います。
  6. 6.承認次第に菌株を送付します。
  7. 7.菌株到着後、菌株受領書を返送のうえ菌株分与代金を支払いください。

【ご注意】病原細菌分与の制限

病原細菌取り扱いの知識と技術を持ち、かつバイオセーフティレベルに応じた物理的封じ込め施設を有する機関に所属する方にのみ分与を行います。
そのため、初めて申込の場合は施設認定が必要になります。詳しくは手続き書類をお送りする際にご説明いたします。

菌株およびDNAの分与価格(1株)

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(事務手数料込み、送料、消費税別)
大学等教育機関 その他の機関
病原微生物 20,000円 50,000円
培養代行 30,000円 60,000円
DNA 30,000円 60,000円

※培養代行:平坂培地やカジトン培地などに発育させた菌株を分与します。

手続き書類

菌株在庫等を確認して以下の手続き書類をメール添付にてお送りします。

  • BSL1の微生物の場合:「分譲依頼書」と「同意書MTA」が必要です。
  • BSL2/3の病原微生物の場合:上記に加えて「分譲申告書」が必要です。

各書類に必要事項を記入・押印の上、病原微生物資源室まで郵送してください。
なお、同意書MTAおよび分譲申告書には施設長公印が必要です。
「同意書MTA」をお送りいただいた時点で記載事項に合意いただいたものとします。この点ご留意ください。

郵送先・お問い合わせ先

分与文書の郵送先ならびに
お問い合わせ先は以下の通りです。

大阪大学微生物病研究所
感染症国際研究センター
病原微生物資源室

〒565-0871 
大阪府吹田市山田丘3-1

分与細菌株の保存法

保存機関から分与を受けた菌株は再度分与を依頼する必要のないように保存してください。
継代培養による保存は死滅、コンタミ、変異の原因となります。一時的な保存はカジトン培地などへの接種が便利ですが、長期の保存は凍結保存(できればー80℃以下)をお奨めします。

凍結保存の方法

  1. 1.保存する菌株に適した平板培地(LBAなど)一面に生えるように塗抹します。
  2. 2.平板上の菌を滅菌綿棒(液体培地に浸して)で集め保存用チューブ(市販のマイクロバンクを用いるか、クライオバイアルを用いて保存用培地を作成。保存培地の例として20%グリセロール加Tryptic Soy Brothを推奨します。バイアルの1/3位に培地を分注して滅菌)に濃厚懸濁します。
  3. 3.−80°C以下のフリーザーで保存。
  4. 4.もどすときは、チューブ内の菌液全体が解凍するのを避け、マイクロバンクは1個のビーズの穴に白金線を入れて取り出し、適当なブイヨンにて増菌培養を行う。自家製バイアルは滅菌した白金線(熱いまま)で凍結した菌液の一部に触れ新鮮培地に塗抹します。フリーザーから出し入れの際はチューブを凍結保存容器に入れて運ぶ等、解凍を避けるため細心の注意を払ってください。

アンプル開封法

1.綿の真ん中くらいの位置にヤスリまたはアンプルカッターで約半周ガラスに傷をつける
2.傷をつけた部分をアルコール綿でよく拭く
3.傷の部分を上にして滅菌ガーゼあるいは綿(アルコール綿や水分を含んだガーゼは使用しない)でアンプルを包み、傷の部分で折る
4.アンプル内の綿を除いて、ろ紙を無菌的に取り出して培地に移す。その後、滅菌パスツールピペットで所定の復元液0.3〜0.5mlをアンプル底部にゆっくり加え標品を懸濁する
5.菌体懸濁液を所定の液体培地あるいは寒天平板培地に接種し、ろ紙とともに適切な培養法で培養する

【復元液】
Glucoseを含まない増菌培地(下記復元液例あるいはLB培地など)を用いる。
Mgイオンによる生存菌数の増加、あるいは濃厚培地による生存菌数の低下が見られる。

【復元液の例】

peptone 5g
yeast extract 3g
MgSO4・7H2O 1g
精製水 1,000mL pH 7.0

(坂根, 1996)

菌株寄託を希望される方

菌株の寄託

菌株を寄託いただく場合の基本的な流れをお示しします。
寄託いただく場合は病原微生物資源室との間で菌株情報や輸送手順の確認が必要です。
菌種等により寄託いただけない場合がありますので予めご了解ください。

  1. 1.寄託申込フォームから寄託菌株の概要をお知らせください。
  2. 2. 菌株のBSL区分等に応じてその後の手順をメールにてお知らせします。
    (参考)寄託申込内容の確認後は以下の契約をとり交わします。
    「RIMD-PMRU微生物材料寄託申込書」
    「病原微生物資源寄託同意書(MTA)」
    書類手続きは原則として郵送で行います(郵送先・お問い合わせ先参照)。
  3. 3.書類手続き後に菌株送付方法をご案内いたします。
  4. 4. 菌株受領後に菌株受領書をお送りします。
    RIMD菌株番号をお知らせします。新菌種論文発表の際などにご利用ください。微生物株の寄託は無料です。
  5. 5.寄託株の保存
    -80℃凍結にて長期の保存管理を行います。必要に応じて凍結乾燥あるいはL-乾燥保存を行います。

病原細菌同定・テクニカルサービス

病原細菌を寄託いただいた場合は、生化学試験等の確認同定を行います。
同定結果が必要な場合は成績をお送りいたします。同定成績は以下のようなレベルで行います。

注)寄託いただいた場合に要・不要の確認をお願いいたします。

  • 基本性状:Gram染色による形態、発育条件、運動性などの生物学的性状
  • 生化学的性状:糖・有機酸等の分解能、酵素産生能など
  • 薬剤耐性検査:Carba NP testなど表現系検査(要相談)
  • MALDI-TOF MSによる同定(要相談)
  • 16S rRNA解析(要相談)
  • whole-genome sequencing(要相談)
  • 性状検査法

病原微生物資源室では病原細菌を扱う際に必要な基本操作技術の実習を行っております。
詳しくは資源室メールアドレスにお問い合わせください。

その他

関連リンク

過去のお知らせ

  • 2022/4/18

    Salmonella enterica subsp. enterica serovar Schwarzengrundなどを分与株に追加しました。
  • 2021/11/26

    Clostridium perfringens(binary enterotoxin等陽性株)を分与株に追加しました。
  • 2021/9/17

    病原微生物資源室ホームページをリニューアルしました。