11/5(木)セミナー:実験と数理モデルで探る 細胞性粘菌の子実体形成 ―表面張力の視点から―
2026年10月9日
イベント・セミナー
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演題 |
実験と数理モデルで探る細胞性粘菌の子実体形成 ―表面張力の視点から―
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| 演者 |
西川 星也 先生 京都大学 大学院生命科学研究科 附属生命情報解析教育センター 特定講師 |
| 日時 |
11月5日(木) 16:00~ |
| 場所 | 大阪大学 微生物病研究所融合棟1F 谷口記念講堂(吹田キャンパス) |
| 概要 |
多細胞生物の形態形成では、多数の細胞が協調して組織の形を作る。しかし、個々の細胞の運動や力が組織全体の形態変化にどう結びつくのかは必ずしも明らかではない。本研究では、細胞性粘菌 Dictyostelium discoideum の子実体形成を対象に、その力学的な原理を検討した。 細胞性粘菌は飢餓条件下で集合・分化し、柄と胞子塊からなる子実体を形成する。子実体の形成過程において、細胞塊は柄の伸長に伴って基質から持ち上がる。Young–Laplace則に基づく形状解析と原子間力顕微鏡(AFM)による力学測定から、重力や柄の弾性力に比べ、組織の表面張力に由来する力が支配的であることを示した。そこで、予定柄細胞と予定胞子細胞からなる組織を連続体として記述し、組織の表面張力と細胞種間の界面張力を取り入れた流体・位相場モデルを構築した。その結果、適切な張力バランスが柄の伸長と組み合わせることで、細胞塊の脱離・上昇を再現した。さらに実験の形態データとの定量比較から、脱離や特徴的な子実体形態の形成に必要な力学的な条件も明らかにした。 これらの結果は、表面・界面張力と柄の伸長という少数の力学要素により、子実体形成に伴う大規模な形態変化が説明され得ることを示している。本セミナーでは、実験データから力学原理を抽出し、数理モデルで検証する過程を紹介するとともに、細胞集団の形態形成を物理的に理解する可能性を議論する。 |
※本セミナーは日本語で開催します。
※医学系研究科、生命機能研究科、理学研究科の修士・博士課程の単位認定セミナーです。
※世話人:石谷 太(生体統御分野 8358, ishitani*biken-osaka-u.ac.jp)
(メールアドレスは「*」を半角「@」に変更してください)
世話人からのコメント:
西川先生は、数理モデルを使って、細胞一つひとつの振る舞いから、多数の細胞が集まったときにどのような秩序や形が生まれるのかを研究されており、細胞競合や多細胞集団の力学、形態形成など、まさに数理と細胞生物学の境界で研究を展開されています。
西川先生の大きな魅力の一つは、難しくなりがちな数理の話を、生物学者にも非常にわかりやすく説明してくださることです。今日は、数式が少し苦手という方にも楽しんでいただけるように、最新の数理細胞生物学の世界をやさしく解説していただけると思います。
数理はニガテという学生さんも(シニアも)大歓迎です!ぜひ奮ってご参加ください。
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