第12回 Bridge Seminar Series/ 微研部員会主催セミナー

2012年3月9日

イベント・セミナー

演題:  mRNA監視系:分子機構と応用可能性

演者:  大野 茂男 教授
     (横浜市立大学・医学研究科・分子細胞生物学)

日時: 2012年3月16日(金)17:00--18:00

場所: 微生物病研究所・本館1階 微研ホール

連絡先: 大阪大学微生物病研究会部員会
      E-mail: biken-bml@biken.osaka-u.ac.jp
 
協賛: 大阪大学微生物病研究所、財団法人阪大微生物研究会

要旨:
 真核細胞ではmRNAは細胞質に輸送され翻訳される。 今世紀になり、翻訳の第一段階でmRNA監視複合体が異常終止コドンを持つmRNAを検出・分解・排除する仕組み(nonsense mediated mRNA decay,  NMD)の存在がはっきりしてきた。 たった一個の塩基配列の違いを細胞はどのように認識しているのか?
 線虫のSMG遺伝子群を起点とした解析は、phosphatidylinositol 3-kinase–related protein kinase(PIKK)の一員であるSMG-1とその基質であるUpf1を中心としたmRNA監視複合体の実体を明らかとした。 さらに、研究の副産物としてPIKKファミリー全体を制御するATPase, RUVBL1/2複合体の存在も明らかとなった。 NMDの分子レベルでの理解を踏まえた様々な応用展開の可能性も議論したい。

参考文献
1)  Izumi N et al.  Nucleus, in press.
2)  Izumi N et al. Cancer Science, in press.
3)  Arias-Palomo E et al.  Genes & Development 25: 153-164 (2011)
4)  Izumi N et al.  Sci Signal. 3: ra27 (2010).
5)  Yamashita A et al.   Genes & Development 23: 1091-1105 (2009).
6) Kashima I et al.  Genes & Development 20: 355-367 (2006).
7)  Usuki F et al.  Annuals of Neurology. 55: 740-744 (2004).

*講演終了後には懇親会を予定しております。

 

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