セミナー開催:書ける!研究者になるための論文講座(3回シリーズ)
2023年11月1日
イベント・セミナー
研究者の評価は、業績、すなわち、専門誌に掲載された論文の質と量で決まるのは周知の事実です。業績評価においては、国際的専門誌に掲載された論文に重点が置かれるので、論文を英文で書くことが必要になります。しかし、そのような能力は、セミナーに何度か出席したくらいで達成できる程簡単には身につかないので、当面は指導教官等の諸先輩や翻訳業者、Native Speakerの助けを借りて研鑽を積むしかないでしょう。この段階においては、英文作成能力よりも、日本語で投稿論文の内容を論理的かつ必要十分に説明する能力の方が重要です。正確な日本語で過不足なく書かれた文章は翻訳の専門家やAIの助けを借りて立派な英文に仕上がるからです。
論文の質は、その中身であるScienceとデータで決まります。従って、若い研究者の目指すべきは、自らのScientistとしての資質を高める努力を続ける中で英語力も身につけるということになります。
アスカコーポレーション協力のもと、論文を書ける研究者になるための論文講座(3回シリーズ)を開催します。
第1回:2023年11月10日(金) 14:00~15:00 |
第1回:論文アクセプトのために知っておきたいパラグラフの解剖学
概要 研究者は、特定の領域について膨大な知識を持っているがゆえに、どうしても雑然とした文章を書いてしまう傾向にあります。 しかし、論文をアクセプトさせたいなら、持っている知識を原稿にぎゅうぎゅうと詰め込むことをやめ、本当に伝えたい情報だけを厳選しなければなりません。そこで役立つのが、パラグラフ・ライティングです。パラグラフ・ライティングは、単なる文章作法ではなく、真に伝えるべき重要な情報を半自動的に抽出できる、論文執筆の重要テクニックです。本講演では、パラグラフの基本形であるHead-Body-Foot構造を中心に話を進めます。この構造をうまく利用すると、伝えるべき内容が自然と整理されて論文のリーダビリティが高まり、結果としてアクセプトがグッと近づきます。査読者が論文をどのように評価するかという点も踏まえながら、パラグラフ・ライティングの手法とその効用について、具体的な文章例とともに解説します。
講演者:布施 雄士先生(生物/医学系翻訳家・ライター) 2012年北海道大学獣医学部卒業.2014年まで 動物用医薬品の研究・開発に従事.2018年筑波大学大学院 生命システム医学専攻修了.獣医師,医学博士。 |
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第2回:2023年11月17日(金) 14:00~15:00
第3回:2023年11月24日(金) 14:00~15:00 |
第2回:Peer Reviewを乗り越えるには、先ずScientistとしての資質を高めよ [1] 第3回:Peer Reviewを乗り越えるには、先ずScientistとしての資質を高めよ [2]
概要 ・研究の目標をどのように定めるか、その目標を達成するためにはどのような手段が必要か、それらをどのように自分あるいは自分のグループに備えるか、等に関する具体的な考察 ・英語の論文を読み、著者の主張が本当に正しいのか、論理に抜けているところはないのか、データに足りないところはないのか、疑問点はないのか、自分ならどのようなデータを集めるか、論文の質をさらに高めるにはどのようなデータや手法の追加が必要か、など日常的に考える これらをどのように満たして行くか考え、実践する努力を続けることにより、質の良い論文を英語で書く力が身に付きます。2回のうち、初回は一般論、2回目は、具体的なテーマを上げてアプローチの方法を考えていきます。
講演者:川島 博行先生(メディカルライター) 1978年東京大学薬学部にて薬学博士取得. 専門はビタミンD代謝、カルシウム代謝、骨および靱帯の分化・形成・再生。論文執筆、レビュー経験多数。 定年退官後、フリーランスのメディカルライターとして,医薬品の論文ライティングを多数手がけており、ロジカルで端的な執筆スタイルで、アクセプトに近い論文の作成に定評がある。 |
開催形式・お申込み方法 |
全てZoomによるオンライン開催です。 ※下記フォームよりお申込みください。 https://forms.office.com/r/v8FKFWCeL5 講座日前に登録いただいたアドレスへ参加用ZoomのURLをお送りいたします。 |
参 加 費 |
無料(事前申込み要) |
お問合わせ |
大阪大学微生物病研究所企画広報推進室(内線:4262) biken-info@biken.osaka-u.ac.jp |
主催 | 大阪大学微生物病研究所(RIMD)・大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER)・大阪大学ワクチン開発拠点 先端モダリティ・DDS研究センター(CAMaD)・ムーンショット目標2ウイルス-人体相互作用ネットワークの理解と制御 |
チラシ | ![]() |
1995年 薬のまち道修町で医薬翻訳会社としてその歩みをスタート。
以降25年以上にわたり、翻訳、英文校正、メディカルライティング、論文投稿支援、資材作成など、ライフサイエンス分野に特化した幅広いサービスを提供。最近は独自のAI翻訳技術を開発・導入し、お客様の課題解決に取り組む。
また、科学誌"Science"(サイエンス誌)を発行する米国科学振興協会(AAAS)からの委託を受け、Science Sales Representativeとして、グローバル規模の求人や製品広告、ブランディング強化ソリューションなど、さまざまなサポートも提供。ライターを目指す方、治験文書や論文・学会発表資料についてより深い知識を持ちたい方向けに、ASCA Academyライティング講座を開催中。
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