特任教授 大石和徳 oishik@biken.osaka-u.ac.jp 

教室主任からの挨拶

大阪大学微生物病研究所感染症国際研究センター

高病原性感染症部門

臨床感染症学研究グループ

特任教授 大石和徳

 平成18年1月付けで大阪大学微生物病研究所感染症国際研究センターに着任した大石和徳と申します。当センターは平成17年度から東京大学医科学研究所と大阪大学微生物研究所に感染症に対する先端的な医学・生物学の研究を行うとともに、感染症研究者の養成を図ることを目的として新設されました。

 私は1980年(昭和55年)の長崎大学医学部を卒業後、長崎大学熱帯医学研究所感染症予防治療研究分野(旧医学部附属病院熱研内科)に入局し、その後25年間に渡って附属病院における呼吸器・感染症診療、学生教育に携わってきた臨床医です。このような臨床・教育活動のみならず、熱帯医学研究所における海外の臨床研究プロジェクトの推進にも尽力してきました。1991年からは東アフリカ、ウガンダ・マケレレ大学とのエイズ合併日和見感染症プロジェクトが始まり、その後1998年からはフィリピン、2000年からはベトナムでデング出血熱や急性呼吸器感染症に関する海外プロジェクトを推進してきました。また、20035月には中国におけるSARSアウトブレイクの制圧のために、WHO短期専門家として中国WHOオフィスに派遣された経歴があります。

 大阪大学微生物研究所は現在の日本における感染症・免疫研究の中核的役割を担っています。その阪大微研において、臨床家である私が期待されていることは、国際感染症センターにおける臨床感染症学グループとして実績を挙げ、大阪の地で熱帯感染症研究、国際感染症対策に関心のある若手を育成することであろうと考えています。私の今後の目標は、1)熱帯地における臨床研究プロジェクトと2)呼吸器系の感染免疫研究の推進であり、海外のフィールド研究と実験室研究を融合させることです。海外のフィールドでは、フィリピンにおけるデングプロジェクト、ウガンダにおけるHIVプロジェクト、ベトナムにおける急性呼吸器感染症(ARI)プロジェクトがあります。また、現在阪大微研のタイ感染症共同研究センター(タイ、バンコク)におけるARIプロジェクトを立ち上げています。実験室研究(呼吸器系の感染免疫研究)としては、呼吸器病原性菌である肺炎球菌やインフルエンザ菌の肺感染免疫、これらの呼吸器病原性菌のワクチンの開発研究(基礎研究)、実用研究(国内の臨床研究)を実施しています。現在の当研究室のメンバーは、内田隆一助手、趙吉子特任研究員(ポスドク)、田中 紫特任研究員(8月採用)、大学院生の大間敬太君と團野 桂先生です。実験室は細胞核酸実験室、P2レベル(細菌、ウイルス)実験室、動物実験室(共同)が利用できます。当面の課題としては、タイ感染症共同研究センターを拠点としたARI臨床研究プロジェクトの立ち上げです。私自身、タイ、バンコクに毎月足を運び、研究準備を進めています。田中紫さんは、タイ拠点でこのARIプロジェクトの専任スタッフで、今年の秋からタイでの活動を開始する予定です。今後、国内、海外で私どもの研究活動に興味がある、もしくは参加されたい方は、是非ご連絡をお願いします。我々は医師に限らず、幅広い人材を求めています。

教室概要
大阪大学 微生物病研究所 感染症国際研究センター 高病原性感染症研究部門
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