当研究グループでは、1)肺炎球菌やインフルエンザ菌(b型菌、無莢膜型菌を含む)等による侵襲性細菌感染症、細菌性肺炎の診断・病態解析、予防に関する研究2)豚レンサ球菌感染症の疫学・病態研究、3)新規ワクチン抗原の開発、4)薬剤耐性菌による院内感染対策や感染症診断のための手法開発とこれを利用した臨床研究、5)病原細菌のタンパク質分泌メカニズムに関する研究、などを中心として、さらにタイ国等の国外研究者とも共同して臨床・公衆衛生上重要な様々な感染症に対して、疫学、臨床研究や基礎研究的アプローチを駆使してその発症・病態メカニズムを明らかにすることで、治療・予防法の確立を目指すべく研究をおこなっています。最近では現行肺炎球菌ワクチンの免疫原性評価サロゲートマーカーの提案や東南アジアで問題となっている豚レンサ球菌感染による髄膜炎発症メカニズム(図)を明らかにしています。
また当研究グループは大阪大学微生物病研究所・医学部による熱帯感染症医師研修コース運営に携わっており、これまでに多くの感染症を志す若手医師の育成を行っています。
図:タイにおける豚レンサ球菌感染症 発症メカニズム (Emerg Infect Dis 2011, J Infect Dis 2014)