日本学術振興会産学協力研究委員会

レドックス生命科学第170委員会
 
 

レドックス生命科学第170委員会第18回研究会

レドックス研究の実用化に向けて

日時:2007年8月9日(木)−10日(金)

場所:タカミヤビレッジホテル樹林

http://www.zao.co.jp/jurin/index.html

〒990-2301 山形市蔵王温泉814

TEL(023)694-9511 FAX(023)694-9517


第一日目 8月9日(木)

13:00~13:30運営委員会


14:00~14:10開会のあいさつ 大阪大学微生物病研究所 谷口直之

14:10~14:40種選択的ROS蛍光プローブの開発とその応用

東京大学大学院薬学系研究科 浦野 泰照

14:40~15:10生体膜脂質のグリケーションと酸化ストレス

東北大学大学院農学研究科 宮澤 陽夫

15:10~15:40酸化ストレスマーカーの臨床診断への応用

(株)エスアールエル 川野克己


15:40~16:05 Coffee break


16:05~16:35主要ベニバナ種子ポリフェノール、セロトニンヒドロキシ桂皮酸アミドの血管作用と抗動脈硬化作用

味の素(株)健康基盤研究所 小山直人

16:35~17:05経口糖尿病薬グリクラジドの多機能性

杏林大学医学部衛生学公衆衛生学 中野法彦、鈴木健二、木本紀代子、大野秀樹

17:05~17:35老化とビタミンC

東京都老人総合研究所 丸山直記

17:35~18:05特別講演ポリアミン酸化産物であるアクロレインによる脳梗塞の予知

千葉大学大学院薬学研究院 五十嵐 一衛


18:30~懇親会  (会費3000円)


第二日目 8月10日(金)

8:30~9:00新しい概念の抗酸化物質:水素分子による抗酸化作用

日本医科大学大学院加齢科学 太田成男

9:00~9:30新規翻訳後修飾機構の探索とその病態医学的な意義について

熊本大学大学院医学薬学研究部病態生化学 永井竜児

9:30~10:00アスコルビン酸の抗酸化機能と健康

新潟薬科大学応用生命科学部食品科学科 倉田忠男


10:00~10:25Coffee break


10:25~10:55脂質メタボロームによる炎症モデルにおける脂質酸化の解析

東京大学大学院医学系研究科分子細胞生物学 田口 良

10:55~11:25SOD1欠損マウスの病態と酸化ストレス

山形大学大学院医学系研究科 藤井 順逸

ご報告

—— 第18回レドックス生命科学第170委員会 ——

 この度、山形大学教授藤井順逸運営委員のお世話で8月9日、10日の二日間にわたり学術振興会レドックス生命科学第170委員会第18回研究会が蔵王温泉にて開催され、委員ならびに企業研究者を含んだ約45名が活発な議論を交わしました。これまでの前2回は基礎研究を主体とした講演内容でしたので、今回はプログラム企画段階より応用面に重点を置き演題の選択を行ないました。 

 講演の中でも千葉大学 五十嵐一衛教授のPolyamineの代謝物であるAcroleinによる脳梗塞などの診断マーカーの開発、東京都老人総合研究所 丸山直記副所長の老化におけるビタミンC代謝の意義、新潟薬科大学 倉田忠男教授のVitamin Cの抗酸化能の化学、日本医科大学 太田成男教授の水素分子の抗酸化作用の意義などのほか、東京大学 浦野泰照准教授のROS蛍光プローブの開発、東北大学 宮澤陽夫教授の膜脂質のグリケーション、熊本大学 永井竜児博士のグリケーションなどの新たなバイオマーカー、東京大学 田口良教授の脂質メタボローム解析、そして企業からは、味の素 小山直人博士、SRL 川野克己博士からの興味深いご発表がありました。また、杏林大学・藍野学院 中野法彦准教授の応用研究もありました。最後にSOD1ノックアウトマウスに認められる新たな病態について藤井順逸教授がご講演されました。

参加された多くの方々から大変感銘をうけたとの印象をいただきましたが、唯一残念だったのは、企業の方の参加が3社と大変少ないことでした。本研究委員会の発表は、一見直接的には産業化応用へ結びつかなくとも、企業の方々の今後の開発研究にとって必ず参考になると信じております。

 次回は二木鋭雄先生が2008年1月16-18日にNIHとの共催にて大阪千里ライフサイエンスセンターで開催される“Biomarkers of Oxidative Stress in Health and Diseases” (BOSHD2008)の国際会議にあわせて開催いたしますのでふるってご参加下さい。

 最後に大変立派な会議を運営していただいた山形大学の藤井順逸教授と研究室の皆様に厚くお礼申し上げます。

学術振興会レドックス生命科学第170委員会

委員長 谷口直之