品川 日出夫:大阪大学・微生物病研究所・教授
e-mail: shinagaw@biken.osaka-u.ac.jp
ホームページ:http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/research/shinagawa.htm
      http://www.biken.osaka-u.ac.jp/kenkyu/idensi/seibutugaku.html
研究テーマ 「組換えと複製におけるHolliday構造の形成と解離の機構」
研究目的
1) 相同的遺伝子組換えの分子機構の解析
原核および真核生物におけるHolliday構造の形成と解離に関する分子機構の解明と複製と組換えにおける役割を明らかにする。Holliday構造と呼ばれている相同組み換えの反応中間体は、2分子の相同なDNAが、相同鎖を相互交換したユニークなDNA構造体です。品川班では、Holliday構造のDNA交叉点移動反応を触媒する大腸菌酵素 RuvA・RuvBと、Holliday構造を切断分離する酵素RuvCの結晶化に成功しており、Holliday構造の形成と解離に関する分子機構の原子レベルでの解析を進める(図)。

2)DNA複製フォークの進行阻害を回避する機構の解析
染色体の複製は、常にスムーズに進行するものではなく、放射線や化学変異原のような外的因子や正常な代謝で生ずる活性酸素などの内的因子による種々のDNA損傷などによって、複製フォークの進行の阻害は頻繁に起こります。最近の研究から複製フォーク阻害時においてHolliday構造が形成されていることがわかってきた。ここでは、DNA複製阻害を回避する機構に相同組換え機構が果たしている役割を明かにしたいと考えている。

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