感染機構研究部門  高等共創研究院/岡本研究室

私たちは、肝臓で増殖するC型肝炎ウイルスやB型肝炎ウイルス、蚊媒介性の日本脳炎ウイルスやデングウイルス等の病態発症機構の解明を目指しています。これらのウイルスがヒトに感染し、種々の疾患を引き起こすメカニズムは不明な点が多く残されています。これらを解き明かすため、最新の分子生物学や動物モデルを駆使しながら多様な角度から研究を展開し、ヒトとウイルスとの攻防の全容解明を目指します。

肝炎ウイルス感染における肝疾患発症のメカニズムの解明

C型肝炎ウイルス(HCV)は人に持続感染し、脂肪肝や肝硬変、やがては肝癌を発症します。HCVは10個のウイルス蛋白質をコードしており、コア蛋白質はウイルスの粒子を形成します。また、コア蛋白質を肝臓で発現させたマウスは脂肪肝を経て肝癌を発症することから、コア蛋白質は肝疾患の発症にも関与していると考えられます。コア蛋白質は宿主のシグナルペプチドペプチダーゼ(SPP)によって切断されて成熟することが知られています。私たちはSPPによるコア蛋白質の成熟化はHCVの増殖や肝疾患発症に必須であることを見出しています。現在、SPPによるコア蛋白質の成熟がどのように肝疾患の発症に関与しているのかを研究しています。

蚊媒介性ウイルスの伝播機構の解明と新しい治療法の開発

近年、ジカウイルスによる胎児の小頭症などの蚊媒介性フラビウイルスによる感染症が流行し、世界的に大きな問題になっています。蚊媒介性ウイルスは、ウイルスを持つ蚊がヒトを吸血することで伝播します。一般的にウイルスは宿主域が限定されますが、蚊媒介性ウイルスは蚊とヒトの両方で増殖できる特徴を持っています。蚊媒介性ウイルスが蚊とヒトを行き来する理由を解明し病態発症機構の解明に繋げたいと考えています。

メンバー

  • 教授: 岡本 徹
  • 助教: 鈴木 達也
  • 特任研究員: 伊東 祐美

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最近の代表的な論文

  • (1) Novel anti-flavivirus drugs targeting the nucleolar distribution of core protein. Tokunaga M., et al. Virology 2019 541:41-51
    (2) Infection with flaviviruses requires BCLXL for cell survival. Suzuki T. & Okamoto T., et al., PLoS Pathog. 2018 Sep 27; 14 (9):e1007299.
    (3)Characterization of SPP inhibitors suppressing propagation of HCV and protozoa. Hirano J. & Okamoto T., et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2017 Dec 12;114 (50):E10782-E10791.
    (4) TRC8-dependent degradation of hepatitis C virus immature core protein regulates viral propagation and pathogenesis. Aizawa S. & Okamoto T., et al., Nat. Commun. 2016 May 6; 12(5): e1005610