分子原虫学分野では、レコンビナントSE36マラリアワクチンの開発を推進し、国際社会から要請の高いマラリア対策に貢献する事を目指しています

  マラリアは年間約2億人が感染し100万人以上の人が死亡するという甚大な被害を人類に及ぼしている原虫感染症です。熱帯、亜熱帯地域の国々で猛威をふるい、発展途上国の社会的安定を経済的発展の大きな障害となっています。

  クロロキン、DDTなどの特効薬や殺虫剤により、一時は撲滅が可能に見えたマラリアは、薬剤耐性原虫株や殺虫剤体制媒介蚊が出現し、その予防と治療は現在非常に困難な状況に陥ってます。最近では、米国のフロリダやニューヨークでもマラリア患者の発生が見られています。また、隣国の韓国では、1993年に1件だったマラリアの発生が1998年には3932件と急激な増加が見られており、マラリア分布のさらなる拡大が懸念されています。

  全世界規模での取り組みが必要なマラリア対策には、単に流行地域において予防や治療に携わるヘルスワーカーによる活動を充実させるだけでは不十分であり、マラリアの征圧にはワクチンや新規な抗マラリア薬の開発が不可欠です。そのためにはマラリア原虫の分子生物学的な解析や伝播過程の研究など総合的な基礎研究が必要とされています。

熱帯熱マラリア原虫の生活環