籔本難病解明寄附研究部門へようこそ!

木下タロウ教授が武田医学賞を受賞しました。

 籔本難病解明寄附研究部門のホームページへようこそ。私たちの研究室では、「タンパク質GPIアンカーの生物学と医学」を総合テーマに掲げ、宿主であるヒト、マウスにおいて、また病原微生物において数多くの膜タンパク質に用いられているGPIアンカーの生合成、輸送、欠損症、感染における役割について研究しています。

 GPIは、グリコシルホスファチジルイノシトールGlycosyl Phosphatidyl Inositol の略で、糖脂質です。ヒトだけでも150種以上の膜タンパク質の膜結合に用いられ、また原虫では主要な膜表面成分である等広く様々な生物で重要な働きをしています。GPIアンカーの研究は、生物学的、細胞生物学的に非常に興味深いものであるとともに、欠損症である発作性夜間血色素尿症は難治性血液疾患である事、トリパノソーマ、マラリア等主要な原虫の病原性に関与している事や結核菌等抗酸菌においてもGPI様糖脂質が病原性に関与している等医学的にも重要な問題を多く含んでいます。具体的な研究内容については、研究内容の項を御覧下さい。また、木下、前田によるオンライン講義もご参考ください。

 GPIアンカーに関する研究は、1990年に木下が新設された当研究分野に着任した時に中心テーマとして取り上げ、研究室挙げて本格的に取り組みはじめました。1992年には、GPIアンカー生合成遺伝子を世界に先駆けてクローニングする事に成功し、PIG-A遺伝子と名付けました。PIGはGPIを変化させてつけましたが、その後PIGS/ピッグス(ブタ)は、我が研究室の愛称になりました。PIGSのコーナーもお楽しみ下さい.

 新しいPIGSのメンバーは常時募集しています。GPIアンカーの研究に興味がある方はいつでもtkinoshi@biken.osaka-u.ac.jpまでご連絡下さい。